top of page

いくつかの虚構

 見る顔が仏頂面ばかりだからいつも不機嫌であるかと言えば、そういうわけではないようだった。目で追っていることを隠し立てするでもないマシニッサの視線に対して剣呑な風情を見せるのだから、単に自分が嫌われているだけかもしれない。
 小柄な身体で、ちょこまかと忙しく歩きまわる。配下の兵たちに声をかけていたかと思えば馬のそばでじっとしていて、かと思えば兄のもとにいる。マゴーネ・バルカは、しかし、落ち着かない様子であるわけでもまたなかった。彼はどうやら彼の定めた規則に忠実に動いており、それを崩すことは殆どないのだ。
 夜が明けて間のない、空気がまだ湿ったような冷たさを帯びている時間帯、眠りがやたらと短く済んでしまうマシニッサは一日の手始めにその姿を探したりなどする。あからさまだと言われればそうだろう。だが特に後ろめたく感じるべきものはひとつも抱えていないから、彼の姿を認めて足を止める、それで満足して自分の幕営に帰ることのほうが多い。今日とてそのつもりだったが、目が合ったものだから数歩近づいた。
「あなた、何が楽しくて僕を見ているんです」
 雑兵のように机につかないで食事を済ませるのは彼の長兄の習慣だと聞いていた。硬いパンを片手に、もう片手には書面を持って、マゴーネはなぜかわざわざ自分の幕営から出て彼の愛馬のそばに立っている。きちんと眠ったのかと尋ねかけてやめた。
「楽しんでいるように見えたか」
「楽しんでいないならいっそう不審でしょう。暇があるのでしたら、色々と頼みたいことはあるんですよ」
 マシニッサの馬は別の場所にいて、この蛮族の王子がこの場にいる理由がないことが、マゴーネは気に入らないらしい。
 ローマの将軍たちを討死せしめたことにヌミディア騎兵の援助が大きく寄与していても、彼の次兄がマシニッサを一応の礼節でもって遇していても、それは関係がない。だからといって、マシニッサはマゴーネから誹りを受けてもいない。
「本当に暇なのですか」
「いいや」
「なら、貴重な時間をあなたは好きで捨てているわけですね」
「捨てているとも思わないが」
 ただ目で追うことが癖になっている。それをどこか快く思っている。そう言えばいっそうの不興を買うことは明らかだったが、じろりと睨まれて愛想笑いを浮かべるでもない態度から、マゴーネは察してしまうのだろう。マゴーネは手にしていた書面を片手で丸めて、不味いパンを無理に飲み込んだ。もう立ち去ろうという気なのか、とマシニッサは惜しく思うでもなく、だがやはり彼を見ていた。部下たちに偵察を命じ、馬やごく僅かな武具を整えさせる、ただ目を光らせている、配下に損をさせないために、カルタゴ人の指揮官たちとの思考の齟齬を埋め立てる、そういう仕事には際限がなく、本当に暇があるわけではない。
 長く伸ばした髪を編んで背中に垂らしているのが、あるいは胸当さえつけないマシニッサからすれば過度な軍装を一切崩さないのが。それらは理由ではないが、よく目についた。
「食事は?」
 唐突に尋ねられて、首を振る。まだだ、ともいらない、とも取れただろうがマゴーネは後者だと思ったらしい。
「食べたほうがいいですよ。僕は食べることが億劫なので嫌いですけれど」
「だから小さいのか」
「はあ? ……嫌いだからといって食べないわけじゃないですし、失礼だな」
 マゴーネはその場を動こうとはしなかった。ただ、丸めた書面を手持ち無沙汰に揺らして、自分の幕営をちらと見て、マシニッサに向き直る。
「何か食べていかれますか」
 どれほど気まずくとも目を逸らしたままにしない、そういうところは、きっと気に入っていた。日が差し始めるのと同時に陣全体が動き出す気配がして、時間はあまりないけれどとマゴーネが呟く。彼はひどく多忙だ、自らそう決めている。
 マシニッサの無言にマゴーネが痺れを切らすのは早かった。
「あなたね、いくら馬と仲が良いと言ったってあなたは馬じゃないんですから。黙って見てたって分かりませんよ」
「入ってもいいものだろうかと思った」
「……この中に貴婦人がいるわけじゃないんだから」
 バルカ家の子弟と、ヌミディアの王子とならば、どちらがそれに近いだろうか。少年という年頃ではもはやないというのに、マゴーネは年少であることを差し引いても不可思議に幼かった。それがもしかすると、彼の血の高貴さのひとつの発露かもしれない。
 ひとりきりで使うために割り当てられているという他には、幕営に特別な点はなかった。マシニッサのものとそう変わらない。簡素な、藁を詰めただけの寝台に、卓がひとつ。武具は几帳面に並べられており、小さな神像のようなものがひとつ、これは無造作に置かれていた。
「最初に尋ねたことにろくに答えてくださっていない」
 奴隷や世話役の兵士を呼び寄せることをしないで、先ほどまでマゴーネ自身が齧っていたのよりもいくらかましなパンだのチーズだのを出してきてから、それが目的なのだと明かすような顔でマゴーネは椅子を指し示した。椅子はひとつきりで、マシニッサが腰掛けると、マゴーネは饗応の要はないといった顔で寝台に座る。
「兄も言うんです、あなたが僕を見ているって」
「確かに見ていたからな」
「否定されても白々しいですけれど、それはそれで白々しいなあ……。それで、何か思うところがあるならある、ないならないではっきりさせろと仰るから。どうです」
 なるほどこの譲歩、あるいは根気は、兄へのものだったらしい。咀嚼を言い訳にまたマシニッサが黙っていると、最初の印象よりもずっとよく回る口でマゴーネは続けた。
「ハスドゥルバルはあなたをあなたの父王から託された義理もあることですし、不和を……これ以上増やす手間をかけたくはない。僕も同じだ、あなたとはうまくやっていくに越したことはない。それをあなたが変に僕のことなんかを見ているから簡単なことじゃないようになってしまったんです」
 見られているのに気付いてまずぎりりと眉を寄せた男の言い分には聞こえなかった。
「特段、そなたに不満があるわけではない」
「じゃあ僕のことお好きですか。違うでしょう」言った自分を気色悪がるように口元を擦って、黒目がちな目でマシニッサの、おそらくは手元を見る。「兵士の誰某をあなたが凝視しているのじゃなくて、よかったと思いますけれどね」
 喉が渇いたと思ったが、催促するとどうにか保っているらしいマゴーネの均衡が一度に崩れる気がした。机に肘をついて眺める顔のなかで目ばかりが目立つ。マゴーネの目は彼の兄と同じような色合いだった。
「新しく馬が生まれると」
 しかしハスドゥルバルのほうは、何を思おうがあからさまに疑わしい目つきをしないものだ。
「目を離さないで見守っている。母馬におおよそ任せてしまうが、手助けのいるときがあるだろうかと気を揉むものだ。人の子よりもよほど強く生きていくものと知っていても」
「……それで?」
「何事もなく歩き、駆けているのを見るのがいちばん楽しい」
 はっと笑う。そうしてマゴーネが吐き捨てたのは特に名付けるまでもない鬱陶しさ、億劫さだった。見ていて分かったことのひとつに、彼は案外喋ることを好むが、それは好ましい相手とのものだから好むという、ごく当たり前の社交性に過ぎないということがあった。マシニッサは彼にいくら険のある顔をされても、こうしてあしらうような笑い方をされても、やはりただ見ているだけだった。
「それじゃあ、御覧になっていればいい。馬は脚が折れればそれでおしまいですが、僕は脚が折れようが腕を落とそうが、それでしまいとはしません」
 馬も人も、同じように、同じ場所で死ぬものだ。少なくともマシニッサにとってはそうだった。物心のつく以前から手綱を握って育ち、何頭もの馬を同時に走らせ、飛び移りながら戦う、マシニッサの馬たちはマシニッサそのものである。折れるのは脚ではない。そこから腐っていくものはただの獣の肉ではなかった。
「存外に好ましく思っているのだ」
「馬を、でしょう」
「同じことではないか? それを知れとは言わぬ」
 ただマシニッサはその眼差しがどこへとも逃れず、真摯に自分へと帰り着くのを確かめていた。無愛想だとか刺々しいだとか言われても仕様のない顔で黙りこくる男が一方でこうもひたむきである、そういうことを見ている。
「そなた、他のなにものかになりたいと思うことがあろう」
 そうして示されたあまりに小さく、なきものとすべき眼差しの変調をマシニッサが見たのも、その目の向かう先が己であったからに他ならない。
「愚かなことを訊くものではありません」彼は鋭く、だが声を高めるのではなく、いまにも牙を剥くのではないかという風に口元を強張らせた。「ーーおのればかりが秤を持つなどと、それは驕りだ」
 不意に、腰に剣を差していることなど忘れきっているマゴーネが、虚を突かれたようにして眉を緩める。彼は、マシニッサが微笑っているというだけで続く言葉を取り落とした。
 決して、マシニッサは彼を嘲りはしなかった。それを最初からマゴーネは悟り、ならばこそ我慢ならない憤りのままに顔を青ざめさせる。喉元にまで迫り上がる言葉を彼は巧く押し下し、なにひとつ繕えないままになった。他に興味を移せとも、ここにまた来るようにとも来るなとも、それだから言えなかったのだろう。


 きらきらと光る耳飾りを揺らしながら、マッシワはほんの少しの緊張を残した笑みを浮かべた。きちんと居住まいを正し自分に向き直る甥を、それを褒めるのでもなくマシニッサは一瞥し、ただついてくることを許して歩き続けた。自分を待っていたことくらいは分かる。王族であり他の例に漏れず騎馬の優れた技能を持つといえども少年でしかないマッシワは、この場において伯父のほかに待つ相手がいない。
 だが邪気のない幼い顔を見ていると、相手の幼さに見合った甘さで接する気にはなれなかった。マッシワが身に付ける外套、それを留める飾りは、マシニッサが与えたものでも、他のどの親族が与えたものでもない。
「伯父上」
 陣営の中は未だ落ち着かない様子を見せ、兵士たちの顔は晴れない。マシニッサとマッシワが早足に過ぎるのをわざわざ振り返るものもいなかった。やっとガデスにまで辿り着いたとはいえ、ここがヒスパニアにおけるカルタゴの領域の端であり、自分たちは追いやられたのだとーー誰が気付かないでいられるものか。
「伯父上……」
 ギスコの姿はとうになく、兵は、バルカの名を負う者によってやっと軍隊の様相をなしていた。大したものではないか、兵は情況をその嗅覚で正確に把握し、あるいは直感によって深刻に捉えているというのに、労せず取れる道を選ばないのだから。
 ヌミディア人の寄り集まる一角にまで来て、マシニッサは足を止める。口にする言葉はいつの間にか自らの民族のそれよりも、カルタゴ人のものであることが多かったが、慎重に選ぶようにして知る者の少ない言葉の方を発した。
「そなたを向かわせればよかったかもしれぬ」
「え?」
「マッシワ、私に言いたいことがあるのだろう」
 か細い声でしつこく追い縋っておいて、振り返られればマッシワは戸惑った。彼はマシニッサとともにヒスパニアへ渡ったのだから、まがりなりにも戦場に身を置くようになり五年になる。戦闘に連れ出すには幼すぎた甥は既にじゅうぶんに役目を与えられるだけの少年に成長したが、誰が甘やかしたわけでもないのに、いつまでも気の弱い顔をしていた。
 その原因が自分ではなく、この場にいないたったひとりにあるのではないかという気がしてならなかった。
「伯父上はこれからどうなさるおつもりですか……」
「尋ねたいだけか。それとも進言すべきことが?」
「ご、……ございます。ぼくは必ずこれを申し上げなくてはならないと……」
「スキピオと約しでもしたか」
 怖気て、マッシワは口を閉ざした。これはまだ子供だから、忘れていないのだ。この外套を、留め具を、腕輪や縦縞のトゥニカを身に纏い、死んだものかとさえ思われた甥が自分のもとに帰ったときマシニッサの表した顔は、喜びとは対極にあるものだった。
「そなたがそうまでも惚れ込むのだ、美しい男なのであろうな」
 響く声の柔らかさと、降る眼差しの静かさとに、マッシワが目を瞬いた。まなこを揺らす涙を誤魔化そうとしてのことだった。この純粋なだけの稚気でもっておのれを懐柔しようという意図そのもの、自らと自らの民とが明らかにただ用いられようとしていることに対するマシニッサの嫌悪は烈しいものであった。だがそれももういくらか昔のこととなってしまったのだ。
 ここまで歩いてきたのが何故か、マッシワは分かろうとしていない。マシニッサがまたすぐに来た道を戻ってゆくのを、その背がもはや追い縋るのを許していないのを、目聡く捉えるのにも関わらず。
 苛立っている。馬が主の手を避け、同じ血を抱く部下たちが視線のかち合うのを恐れているのが分かるほどに頭は冷えたが、苛立ちが収まるわけではなかった。マシニッサは迷うことが嫌いだ。何事も、すぐに選ぶべきものを見つけ出す男だった。いまこのときとて何かに迷っているわけではないーー彼は逡巡しなかった。正しいことが何であるかを彼は幼い日から教えこまれ、それを何よりも慈しんで、生きている。
 迷うことはできない。マシニッサはそれをしないのではなくできないのだ、と。
「マゴーネ」
 返事はなかろうと思った。幕が下り閉ざされた幕営の中にどれほど呼びかけようとも、むしろ、何度も呼びかければかえって、応えは遠くなるだろう。指揮官の側近のひとりが幕営へ入るマシニッサを物言いたげに見ていたが声をかけなかったのと同じだ。
「そなたの部下たちが苦慮しているようだが」
 息を潜め、じっと背を丸め、その姿はほとんど隠れようとする子供のものだった。粗末な寝台に身を沈めた男の目がきつく閉ざされているのも、なぜ息が潜められているのかも、鼻をかすめた兆候が教えてしまう。
 断りを入れず、それどころか声をもう一度かけることも面倒になって、マシニッサはマゴーネが胸に抱え込む腕を引きずりだした。抵抗らしき抵抗はなかったが、薄く開いた目で、マゴーネはマシニッサを疎んじている。ここはもはや雪吹き荒ぶ谷でも、吐く息の凍る頂でもないというのに、マゴーネは長袖を着続けていた。それを捲り上げ、結び目が解けてだらりとした布をそのまま剥ぎ取る。う、と呻いた。身動ぎをして、顔をいっそう深く伏せる。
「痛むだろう」
 何も言わず、けれども傷に触れられるのを恐れて、腕を引こうとする。肘のあたりから一筋の線を下ろすようにして開いた傷には一応の処置が施されていたが、施したきり、それ以上のことは何もなされていないと見て取れた。
「痛いから、って、何なんです」
「おかしなことを。腕が痛めば動かすことが難しくなる。剣を取り落とすつもりか」
「それが何だと言うんだ……」
 弱った声ではない。むしろ、そう、素直な声色だった。マシニッサが水差しを卓から取ってきてぬるい水で傷を流しても、敷物のひとつも用意されていない幕営の地面がそれに濡らされても、マゴーネが文句を言うことはない。先の戦いで傷を負ったことをこの男は隠さなかった。薬をみな兵に与えたと言うからマシニッサが差し出した彼にとってすれば得体の知れない薬を、彼は疑いもなく受け取った。
 けれども彼は幕営に誰も入れない。入れてくれと言うことも許さず、それを彼が許せる限りにおいてこうしているのだ。マシニッサがその閉ざされた布を開くようになったのはマゴーネがはじめから諦めていたからだった。どうせ、と言う。
「あなたはいつも……」
 薬の塗られた布を押し当てられて、そのときには呻くことなく、マゴーネが顔を上げる。すぐそばに膝をついた異国の人間の目を、硝子玉でも見るように眺める。
「自分で自分が嫌にならないんですか、こんなことをしていて」なぜと問えば、唇が形を迷って幾度か動いた。「僕はあなたの、……子供でもないのに」
 新しい布で縛り直された腕を取り戻して、またそれを抱き込んでマゴーネは、か細く笑ってみせる。外した言葉選びを自分で嗤っているのだった。
 いつまでもここで蹲っているはずがないと知っていればこそこうして足を運ぼうと思う。その短い時間を見てみようと思うからだ。どんな風にマゴーネがそれを疎むのか、それには目を向けないでいられた。
 祖国にあった頃から、マシニッサはこの男の存在と名とを知っていた。ハミルカル・バルカの末子、有能であるはずとされる指揮官としてである。シュファクスの反乱に際してアフリカに渡ってきたハスドゥルバルは世評に違わぬ男であり、何事にも違わぬ男であるようだった。ならば未だその姿を知らぬバアルの恩寵とて、マシニッサに目を瞠らせはすまい。
 マゴーネが震える手を抱き、しかし、顔を上げて兄を追う、そういう姿を見つけ出したのはいつだったか。マッシュリーの王子をただ見定めようとしていた目が剣の閃きに揺らぐのを知ったのはなぜか。
「そなたの馬が死んだそうだな」
 腹を貫いた槍をマシニッサはその目で確かめた。その馬が、主の逃げ延びるのを助けてやっと死んだのだと聞いた。
「やさしい子でした」
「あれはいい馬だった」
「あなたがそう言うなら、本当にそうでしょう。いい、馬だった。この地で死なせてやれてよかったと思います」
 易易と言葉を受け入れ、飲み下してしまう。そしてまた笑って、目を伏せた。
「死ぬ場所を選べないものはかわいそうだ……」
 身を起こし、つい今し方迄の重苦しさを髪の一筋にさえ残さずマゴーネは立ち上がる。同じように立ち上がったマシニッサを見上げる首の角度、少々労して相対する男へ向かう背筋の流れ。
 ひとつ礼を言ってみせると、軽やかな男がそこにいるのだった。彼は幕営を出て、彼を心の底から慕う者たちに笑顔を差し出して、自分たちには何も望みがないと、まるで贈り物をするかのように言うーーけれどもその前に、マゴーネはひとつふたつ、まばたきをする。
「マシニッサ、美しいものは好きですか」
 まろく目を細め、振り返ったその顔をマシニッサは、よく知っている。幕営を開きかけて中途で止まった手の傍から陽の光が差し込み、それがマシニッサにまで届いていた。
 美しいもの。それを思うとき、自分は苛立つのだ。
「ああ。……」
「それなら、よかった」
 大切になさってください。彼がマシニッサに投げかけた言葉はそれが最後で、マゴーネは何も惜しまない質であるから、言葉を尽くさなかった。だが知っていただろう。彼は知っていたはずだ、マシニッサがおのが民の光明たるべき男の姿を知り、ガデスから姿を消したとき、彼は何も言わなかったはずだ。あるいはただ、そうだろうと思ったと、笑っただろう。

bottom of page