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鴛鴦の娘

 母が泣いている。
 センプロニアはぎゅうと耳を押さえつけたが、風の音のようにはそれは遠ざかってくれなかった。いまも母が泣いて、叫ぶのだけを堪えて、何も憎めぬままあの美しい肌に爪を立てている。
「死ねと教えたわけではなかった」
 そう、彼女はそんなことは教えなかった。
「正しいことをなさいと教えた、それがいけなかったの?」
 まさか。……そのように考える者が、この国のどこにいるだろう。
 母が泣いている。それが聞こえる。コルネリウス一門、そのうちでも栄華を誇る家のなかにあって、生家は遠いというのに。センプロニアは目を閉ざしていた。彼女の寝台のそばには燭台がない、足をかけて油をこぼしたことを忘れられずにいるからだ。
 いまごろ彼女の息子は、センプロニアの弟は、あのかわいい子は、どこで母の手を待っているのだろうか。どこまで行ってしまっただろうか。ティベルの大いなる流れ、そのうちに、命を沈めることなどなかった。
 殺してしまえと声高に、誰も彼もが訴えていた。
 守ってやらねばと弟を庇った者も多かったのだろう。彼らも死んでしまった。みんなきっと死んでしまった。誰もセンプロニアに事のあらましを絵に描くように語り聞かせはしなかったが、少しずつ伝わってくるものを繋ぎ合わせればどれほど酷いことが起こったのか分かってしまう。
 誰も、彼もが。
 可愛いティベリウスを殺したのだ。センプロニアの弟を殺したのだ。ああまでも賢く、優しく、心根の曲がらぬ弟を、なぜ殺してやることがあったのか、センプロニアには分からなかった。憎悪はどこから起こり、怒りは何に剣を取らされたか。なぜ誰も守りきってやれなかったのだろう、なぜ、誰も。
「あなたはどうしてあの子を守ってはくださらなかったの……」
 戸口に立つのが誰であるかはすぐに分かった。人払いをしておいた女主人の部屋に足を入れることのできる者はひとりしかいない。夜闇のなか、灯りを持つ彼の瞳の静けさばかりが鮮やかに見て取れた。
「いつまでも泣くのはよしなさい」
 穏やかな声である。彼の詩の朗読を聞くのが好きだと弟は言ったことがある。声のひとつ、言葉のひとつ、息遣いのひとつ、全てが、彼の名に相応しいまでに穏やかで、澄んでいた。
 センプロニアは手を脇にだらりと下ろしてしまって、夫を見た。
「だってティベリウスが死んでしまった」
「それももう、一年も前のことでしょう」
「死んでしまった……」
 なぜと問う声に彼はいくばくかの沈黙を落とし、浅く息を吐く。
「センプロニア、あなたには分からないことだ。僕が言い聞かせたとしてもあなたはそれを分かろうとはなさらない。僕の答えることを聞こうともなさらなくなって久しい。あなたの弟は、してはならないことをした。それだから」
「お母様がきっと泣いているのに」
「……コルネリア様の悲しみも、あなたと同じように衰えを知らぬのでしょうね」
 そう、乾いてゆくものと思った傷は、どうしてか日毎に血を滲ませてその口を開いていった。
 けれどセンプロニアは泣いてなどいなかった。あの狂瀾がローマを覆い尽くした日、忌むべき報せが届けられたその時さえ涙は流せなかった。暫くの間はぼんやりするばかりで、何が起こったのかを真に理解したのは母と会えてからだ。そのとき彼はここにいなかった。遠いヒスパニアにあり、喜ばしい報せをそれより以前に齎していたが、すぐに帰ってくることもなかった。
 彼はいなかった。センプロニアと同じく、惨事は彼の手の届かぬ場所で起こった。凱旋将軍として帰還した夫は、その名誉に釣り合わない昏い目をして彼の妻の迎えを受けた。
 泣けたとしたら、彼を出迎えたあのときだけだっただろうに。
「あなたはどうして、ティベリウスを救い出してはくださらなかったの……」
 ティベリウスは義兄を慕っていたはずだ。少年だったころ、彼が初めて軍靴を履いた日に追った背はこの夫のものだったのだ。
 夫は黙り込んで、立った場所よりも中には入ろうとしなかった。センプロニアはふと、救わぬということはどういうことだろうかと考える。彼女はほんとうに、答えを自分で出すことを嫌っていた。間違っていることが多いからでもあり、ひどい労苦だと感じるからでもある。指差すことを恐ろしく思うからでもあった。けれども動かぬ夫の影を見つめ、彼女はその手に握られてきたものを思い出したのだ。
「ーーあなたが殺したのだわ」
 彼女は母とは違う。ひとりの人物として立つことのできる女ではなかった。誰もセンプロニアにコルネリアたれとは言わなかった、輝かしくあれとは言わなかったーーこの夫も、そうだ。センプロニアは一度だって頬紅さえささずに彼を出迎えることを咎められたことがない。
「あなたが殺したのよ、あなたが、あなたがあの子を……あんなに可愛い子だったのに!」
「どうしてそう思われるのですか」
「だ、だって、だってあなたになら助けてあげられたのに」
 夫を褒めそやす言葉をどれほど聞かされたか知れない。彼はこの国を動かす人々の一員であり、その人々を導く役目を負うことさえできる側にいた。この家にやって来る前、センプロニアの父はあたたかく笑って、おまえは幸せ者だとそう言った。羨まれるのはセンプロニアなのだった。
「死なねばならぬ者だったからです」
 このようなときでも彼の声は優しい。彼はその貴い血統の裔として、幼いころから様々な点で認められてきた。彼は優しい。廉直な人柄を慕われ、時に疎まれることで、その価値を表していた。彼はセンプロニアに何かを求めたことがない。美しくあれとも、聡くあれとも、従順であれともーーそれなのに失望ばかり、諦めの滲んだ穏やかな言葉ばかり。
「……あの子を愛してくれていなかったのね」
 センプロニアだって、憶えているかぎり一度も、夫に口答えをしなかった。する必要もなければ、口実もなかったからだ。母が些細なことで父にあれこれと小言をくれてやってはおかしげに笑う、ああいうものを夫婦だと思ってきた。それができない。
 彼の背を倣うべきもののひとつとした弟に、夫は何を語っただろう。幼い子を遺した父親の話を聞かせ、その名声を追う足を励ました。あの子が傷ついて帰って来たとき、差し伸べる代わりにその手で道を指し示した。弟は背に隠してほしかったのではないのに、ただ頷いてほしかったのに。
 ただただじっと、互いを見つめていた。
「あなたは私のことだって、ほんとうは、いらなかったんだ」
 夫はセンプロニアを大切にしてきたのだ。よき夫としての振る舞いを彼が忘れたことはなかった。彼の家系を繋ぐ務めをとうとう果たせなくとも打ち捨てることなく、しかし慰めることもなく、何も言わないで、変わらぬまま優しかった。
 そこにあるのは野に咲く花の一輪に差し向ける愛情と同じように、彼が当たり前のように備え持つ些細な愛情だったけれども、それでも、センプロニアは、それだから、彼女は。
「僕は」くずおれるように笑った女の顔を、彼はやはり見つめていた。「あなたを愛してさしあげたいとずっと思ってきました」


 ほんとうは書物に囲まれているのが好きな子供だった。弟たちにその場を譲るようになってから、母が彼女の宝石たちの手を引くようになってからは触れることも少なくなったけれども、センプロニアは許される限り書を開こうとする子供だったのだ。
 彼女にとってうつくしい髪とは母の髪のことであったし、顔立ちも母に似ていないならばすぐれないものと思い込んでいたものだから、新しい靴や宝飾のたぐいをねだることもなかった。センプロニアはともかく父の書斎に入り込んではふと周囲の暗さに気づくまで、ずっと文字と戯れるのが好きだった。父の執務机の椅子に登り、はっきり駄目だと言われたことがないからと父の真似をするのが気に入りだった。
 遠くの部屋で赤子の泣く声を聞き、その赤子がこれまでの彼女の弟妹のように弱々しく震えるばかりでないことに安心しながら、センプロニアは垂れ落ちる髪を掻き上げる。少女が生まれてから九年が経ち、彼女には多くの弟妹が生まれたが、今日まで生き残ったものはいなかった。今回の子はどうやら違うぞと、父がこっそり教えてくれていた。そんな言い方をしては彼の妻であるコルネリアが悲しむと分かっていてセンプロニアにだけ笑いかけたのだ。
 今回の男の子はどうやら違う。あまりに元気に泣きすぎるから、母は困り切っている。歩くようになるまで、じょうずにお喋りをするようになるまで生きるのだって夢ではないかも知れなかった。
 昨日途中まで読んでいた巻を読み終えた頃には、泣き声は止んでいた。眠ったなら触りに行っても邪魔にならないだろうかと、窓の外を見る。よく晴れた春の日、中庭で薬草の世話をする奴隷の横顔も和やかに見えた。こんなよい日にならば、弟のあのふわふわとした髪を撫でてもいいかもしれない。
 子供の手には少々余る巻物を、最初そうであったようにきっちりと巻き直しておくのには苦労が要った。娘が書斎に入り込んでいるのを知っている父が後から巻き直しているだとか、彼女の世話を任されているギリシア人の乳母がきちんとした場所に置き直しているだとか、そういうことはセンプロニアの知るところではなく。簡単なラテン語で綴られた真新しい書が少しずつ増えていることに気がつくよりもさきにセンプロニアはこの部屋に入らなくなったから、それらは弟のための優しさに変わっていった。
「ーー何を読んでいたんです?」
 声こそあげなかったがセンプロニアは元の場所に戻そうとしていた文鎮を取り落とした。床を跳ねずに硬い音をさせた文鎮を拾い上げたのは身を竦めた少女ではなく、声の主だった。足元に見えた手からそろそろと視線を上らせていくのはどうにもこうにも勇気のいることで、人よりも長い時間をかけてやっとセンプロニアはその人の顔を見た。
「ごめんなさい、驚かせてしまいましたね」
 そこにいるのが知らない人でないことに安堵して、センプロニアは首を振った。本当に馴染みのない相手がセンプロニアの近くにやって来ることは母が許さないが、彼は当たり前に許されてこの書斎に入ってきていた。
 文鎮を机の上に置きセンプロニアの手から書物を取り上げた青年は、椅子の上に縮こまる少女をほんの僅かに見つめてから、するするとパピルスを巻き取っていった。手元を見つめている目は気まずそうなのだと、センプロニアはふと気づく。自分のせいだろうか。
 この青年は母の生家に養子として入り、いまは当主になっている人物で、ただスキピオと呼ばれるのならばいまは彼を指す。祖父を知らぬセンプロニアにとってはこの優しげな青年だけがスキピオだった。だからこの人はとてもえらいのだ、と子供は思う。
「センプロニアは、書がお好きですか」
「す、……すき、です」
「僕もです。小さな頃には叱られるまで読みました。いまも夜更かしをして叱られます」
 スキピオはさして迷う様子もなく正しい書架に書を収め、センプロニアを振り返る。きっと弟に会いに来てくれる大人たちのなかのひとりなのだろう、それがどうしてここにいるのか、気にかかっても自分から言い出すことはできなかった。
 青い目は母のそれによく似ていた。髪も、同じではないけれどセンプロニアの黒髪よりも母に似ている気がした。自分を取り巻く家系というものを把握するにはいささか幼いセンプロニアには、スキピオと自分がどれだけの血で繋がっているものか分からなかったが、母に似ていればそれだけ羨ましい。それだから彼が本題に入るまでぼんやりとその姿を見つめていた。ただ、穏やかな声の調子は他の誰とも違っていたけれども。
「お父上があなたをお呼びなので、探しに来たんです」
「弟のところ……?」
「それもありますが、今日はアエミリア様と一緒にお伺いしたので……あなたのお祖母様です、ご存知でしょう?」
 大好きな祖母のことならば、もちろん知っている。近頃は臥せがちなのだと聞いていたのに、大丈夫なのかとセンプロニアが尋ねると、スキピオはほんの少し首を傾げるようにしてからにこりと笑った。
「お優しいのですね」そう言って差し伸べられた手の意味が分かるのにどれだけかかっただろうか。「特別調子がいいのだと仰って、僕をお誘いくださったんです。ついさっきもセンプロニアの顔が見たいと」
 そう言い終えるのを待つのももどかしく、右手をスキピオの手に乗せた。いつもなら片方ずつ慎重に床に下ろす足を揃えて椅子から降りようとして、案の定よろめいた子供を、彼の両腕がしっかりと支える。スキピオは大袈裟に心配する言葉をかけず、「行きましょうか」とセンプロニアの手を引いて部屋を出た。
 見上げてみると、市民服を身に着けない青年の肩がまだ父のものよりもいくらか薄いのが目についた。はじめて会ったときには、彼はまだ少年だったはずだ。センプロニアのことを生まれた時から知っている人のひとりなのだから。
 スキピオは子供の足に合わせてゆっくり歩いたので、いつもと違うところに戸惑う必要はなかった。センプロニアはいつも乳母や家族にこうして手を引かれて歩くがスキピオも手を引いて歩くのには慣れているようだった。またちらりと見上げてみた彼の横顔はまっすぐ前を見ていて、そんな風に顔を上げられたなら歩くのも楽しいだろうと思った。センプロニアはいつも何もないところで足を躓かせるので、つま先ばかり見て歩く癖がついてしまっている。
 客人が祖母だからだろう、行き先は子供部屋だった。最近は笑みを溢れさせる人々の出入りする弟のための部屋からは、赤子に呼びかけるときの少し高くなった声が漏れ聞こえてくる。それに気がついたときなぜだかセンプロニアはつないだ手をどうにかしなければと考えたのだが、スキピオはそのままで部屋に入って行ってしまった。
 弟を抱いた母よりも、弟の顔を覗き込む祖母よりも、彼女らを見守っていた父のグラックスがまずいちばんにふたりに気付いた。センプロニアと同じ色の目が幾度か瞬き、彼は向かいの長椅子に腰掛ける妻の腕を叩く。
「まあ、仲良しさんね」
 そう言って笑顔になったのは祖母だった。その声を合図にするようにスキピオが手を開くので、センプロニアは彼女のめいいっぱいで祖母に駆け寄る。腕の中に迎え入れてくれるアエミリアの、いつも同じ香を焚きしめている衣服の匂いがセンプロニアは好きだった。髪の流れをなぞるように撫でるその軽い手も。
 スキピオはグラックスの隣に腰掛けて、いくらかふたりで言葉を交わしていたようだった。祖母の胸元に頬を寄せたまま手を伸ばして母が抱く弟の髪を擽ると、先程まで泣いていたのだろうに赤子はむずがる様子もなく指を見つめている。きっとだいじょうぶだ、と思えるくらいに、きれいな目だった。
「センプロニア」
 父が手招きをするのに、センプロニアは祖母から離れなかった。くすくす笑って孫娘を抱き寄せるアエミリアの目は、やはり母と似ている。
「大切なお話なんだ、こちらに来なさい」
「……あとで」
「あとで、じゃない。……コルネリア、アエミリア様も、笑っていないで」
 祖母と母が親子なのだということはなんとなくとしか理解できないことだのに、父の苦言に対してふたりそろって同じように笑うものだから納得しないではいられなかった。しぶしぶ父のそばに立ったセンプロニアの背を父が軽く押して、スキピオと向かい合わせる。
「お父様と、お母様と、おまえのお祖母様でお話したのだがね」
 父が何を話したいのだか、スキピオも分からないという顔をしていた。
「おまえの旦那様となる方は、このスキピオ君がいいだろうということになった。……どうだろう、スキピオ君」
 どうだろう、とは。後になって思い返せばひどい話だとセンプロニアは思うのだが、そのときにはなんにも分からないでスキピオを見つめた。狼狽とも困惑とも違う、幼いまでの驚きが青年の目元を過ぎていって、スキピオはコルネリアやアエミリアを、グラックスを順に見てから、少女に向き直る。
 なんだか嬉しそうではないとセンプロニアは思ったかもしれない。センプロニアだって嬉しげな顔をしていなかったのだ。真剣な顔で青年を見つめる父の顔や、いつもどおりにおっとりと微笑む母の顔をちらちらと確かめてから、きゅっと唇を引き結んだというだけのことで。
 スキピオがセンプロニアを見ながら、「ほんとうに」と、そう言った声は様子がおかしかった。
「……僕で、よろしいのですか。だって、センプロニアはおふたりのたったひとりのお嬢様です」
「それだから君がいいと言うんだよ。君と同じ年で、君ほどによく知られた青年はいないのだから」
 是非にと押すことだけはどうにか堪えたといった調子の父の手がセンプロニアの背をさする。
 このときどうすればスキピオが場を逃れられたのだか、教えられる者はどこにもいないだろう。センプロニアは知りもしないことだがスキピオという青年は、少年のころから人々によく知られることを求めて努力を積み重ねていた。誰だって彼に求められれば娘を差し出したはずだ、コルネリアの夫君となるべき男をかのアフリカヌスが悩みぬいてグラックスと決めたように、娘を持つ父はこの青年を選びたかっただろう。スキピオの名とは、そういうものだから。
 しかしこの時ばかりは、彼はその名のおかげで、逃げ出すすべをなにひとつ持ちあわせてはいなかったのだ。センプロニアはグラックスの娘であり、アフリカヌスの孫娘であったのだから。
「そう言っていただけるのであれば」
 ふわりと細められた目はセンプロニアから逸らされなかった。何も事情を理解していない子供を相手にしているにしては大仰なほどにきれいな顔で彼は笑った。
「この世のどのような宝よりも、センプロニアを大切にいたします」
 グラックスが胸を押さえて深くついた息だとか、母と祖母が額を寄せあってたてた軽やかな笑い声だとか、そういうものは遠かった。
 スキピオの言葉は彼らに向けられているようにも聞こえたが、彼はセンプロニアに向けて笑ったのだ。だからそれはセンプロニアへの約束だった。センプロニアはその星の浮かべられそうな瞳をじっと見つめ、首をすくめるようにして下手に頷いて、また祖母のところに駆け戻ってしまった。小さな身体を抱き留めたアエミリアはおかしがっているのか、嬉しがっているのか、しきりにセンプロニアの頬に手を滑らせて笑っていた。
 その意味など、幼いセンプロニアは分からなかったのだ。気恥ずかしくてそれから一度もスキピオの顔を見なかった理由も見つからないままだった。だから、その日のことはよくよく憶えてい続けたのに、その言葉だけをすぐに忘れてしまった。コルネリアの宝石になれなかった娘はならば何になれるのかと、幼さを失っていくほどに恐れ背を丸めた日にはもう、その言葉はどこにもなかった。
「あなたはきっと幸せになれるわ」
 そう母は笑い、けれども決して娘の何をも羨まぬ彼女の微笑みはただ、センプロニアが欲しがってやまないきれいな形をしていた。

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